梅田吸気塔

登場手塚作品:『ブラック・ジャック』「アリの足」(1974)

『ブラック・ジャック』「アリの足」 ©手塚プロダクション

ステンレス板で囲まれた不思議なオブジェが御堂筋の北端に存在する。昭和38年(1963)、建築家・村野藤吾によって設計された梅田吸気塔だ。再開発著しい梅田の中にあって、これだけが約半世紀の時を刻み続けている。
この吸気塔が、手塚治虫の名作『ブラック・ジャック』「アリの足」のラストシーンに登場する。小児麻痺の少年・光男が広島から大阪までの徒歩旅行の末、たどり着いたのがこの場所という設定だ。吸気塔の背後には、当時の社章がかけられた阪急ビルディング、阪急航空ビル、黒光りする富国生命ビルも描かれている。

村野藤吾設計の梅田吸気塔と現在の阪急ビルディング(2014年撮影)

 

村野藤吾設計の梅田吸気塔と旧阪急ビルディング(2005年撮影)