クラブ・コンコルディア跡(メディセ北野坂ビル・旧三星堂本社地)

登場手塚作品:『アドルフに告ぐ』(1983~1985)

『アドルフに告ぐ』第4章 ©手塚プロダクション

 

神戸開港から半年後の1869年、ドイツ人を中心とした社交倶楽部「クラブ・ユニオン」が誕生した。1879年に「クラブ・コンコルディア」と名称変更し、現在の市役所近くに拠点を置いていたが、昭和2(1927)年、現在の異人館の一角に移転。以来神戸在住のドイツ人のための社交サロンとして利用されてきた。第二次世界大戦の終結により、敗戦国ドイツ国資産として連合国に没収され大蔵省が管理。終戦の約10年後にこの建物を自社ビルとして購入したのが神戸の医薬品会社・三星堂である。のちに合併により社名変更。現在はメディセオ北野坂ビルとなっている。三星堂の社史によると、総大理石の螺旋階段など非常に豪華な建物であったことが読み取れる。建物は現存しないが、敷地の南端にはクラブ・コンコルディア当時の礎石銅版が保存されている。