カトリック豊中教会

登場手塚作品:『スリル博士』(1959)

カトリック豊中教会は手塚治虫の『スリル博士』に登場するセント・ユダ教会に酷似している。(講談社手塚治虫漫画全集版 P.226)『スリル博士』が描かれた1959年はちょうど手塚が結婚した年であり、のちに妻となった岡田悦子さんが豊中に住んでいたことから、手塚が豊中を訪れる機会が多かったのだろう。

カトリック豊中教会の設計はチェコスロバキア人建築技師のヤン・ヨセフ・スワガー(Jan Josef Svagr)で、横浜のカトリック山手教会など数多くのカトリック系教会の建築を手がけている。豊中教会は1939年に建てられた木造の聖堂建築で、格天井、丸柱、格子状の窓が特徴的。近代洋風建築というよりも、和風や中国風の寺院建築の要素が強い。この豊中教会が建てられた1939年末に、スワガーは離日しているので、豊中教会がスワガーの日本での最後の仕事だと思われる。戦争の影が次第に強まり、教会建築にまで和風の要素を取り入れなければならない状況であったことが推測される。