敦賀駅

 登場手塚作品:『アドルフに告ぐ』(1983~1985)

仁川警部が殉職し、娘の三重子と共に峠草平は大阪へ向かう汽車に乗る。峠を助けた飲み屋のおかみ・お桂との別れの場面で描かれているのが敦賀駅である。古くからの港町である敦賀は交通の要衝であった。明治2(1869)年、日本初の鉄道となる四路線の一つとして京都‐敦賀間の鉄道建設が決定され、明治15(1882)年に日本海側初の線路が敦賀に敷かれた。

『アドルフに告ぐ』第15章 ©手塚プロダクション

 

仁川警部と峠草平が大阪から敦賀へ向かう場面、敦賀駅から三重子と峠が大阪へ帰る場面で描かれているのが「デゴイチ」の愛称で知られる国鉄D51形蒸気機関車である。国鉄の前身である鉄道省が設計、製造した蒸気機関車で、昭和11年から製造され、太平洋戦争中に大量生産された。

『アドルフに告ぐ』第15章 敦賀駅に到着するD51型機関車が描かれている。 ©手塚プロダクション

 

JR神戸駅前の相生町に展示保存されている国鉄D51形蒸気機関車

東海道本線、山陽本線の終点近くの相生橋跡に、近代の鉄道史に功績のあるD51型機関車がメモリアルとして設置された。