私が高校生の頃、父が仕事で携わった「神戸ポートアイランド博覧会」へ家族で行ったのが神戸に行った最初でした。両親と私の他に手塚プロの松谷孝征社長と翻訳家のフレデリック・L・ショットさんも同行していました。整備されたばかりのポートライナーに乗り、神戸ポートピアホテルに宿泊して、異人館通りの洋館で食事をしました。神戸の歴史について、ショットさんが解説して下さった記憶があります。北野の異人館など山側の古い街、そしてポートアイランドなど海側の新しい街。狭いエリアに魅力がギュッと凝縮されていて、とにかく一発で大好きな街になりました。パン屋や洋菓子店もたくさんあって、こんなモダンな街があるのかと感激しました。『アドルフに告ぐ』でもパン屋ブルーメンが描かれていますね。
それ以来、神戸には何度も訪れるようになりました。「風見鶏の館」や「うろこの館」など主な異人館は一通りまわって、神戸の街が一望できる諏訪山公園の「ビーナスブリッジ」にも、ボーイフレンドとドライブで行きました。昼も良いですが、夜景が素敵ですよね。『アドルフに告ぐ』にもエリザとカミルがデートするシーンで描かれていたのですね。
(2018年7月3日取材 手塚プロダクション本社にて)
「マンガ・ポートピア’81」
1981年7月23日、24日
昼の部は全国こども電話相談室(無着成恭、久野猛、手塚治虫、矢口高雄)、漫画教室(手塚治虫、矢口高雄)
夜の部にスーパマンが駆けめぐる、漫画ジグソーパネルゲーム、夏休みへのメッセージ(手塚治虫、矢口高雄、古谷三敏、岩本久則、岡崎つぐお、細野不二彦、スキップバンド)。
『神戸ポートアイランド博覧会公式記録』(神戸新聞社・1982年)より
『手塚ファンmagazine』1981年3月号(通算13号 昭和56年2月10日発行 手塚治虫ファンクラブ)より