登場手塚作品:『ガチャボイ一代記』
40万部のヒットといわれた『新宝島』など、昭和20年代はじめ、手塚治虫は数々の漫画単行本を手がけた。それらの漫画単行本は、目立つよう表紙に赤い色を多く用いたことから「赤本」といわれた。
昭和20年代の松屋町には赤本の出版社 や玩具屋などが建ち並んでいた。手塚治虫は阪大の授業が終わると、橋の下で制服を着がえてベレー帽をかぶり、松屋町に出かけて行った。当時のエピソードは自伝漫画『ガチャボイ一代記』の中で描いている。
なお、手塚治虫がよく出入りしていた丸山東光堂は、からほり御屋敷再生複合ショップ「練」の向かい側のマンション「アズウェル心斎橋東ステーションフロント」の位置にあった。手塚が自身の思い出の場所を巡るテレビ番組「11PM 手塚治虫NANIWAグラフィティー」(よみうりテレビ・1986年3月22日放送)で、丸山東光堂の店主だった丸山政枝さんが出演している。「人形の久宝堂」の看板が見える高津原橋の手前を右に曲がり、この位置にカメラアングルが当たっている。
※丸山東光堂から出版された手塚作品:『ターザンの秘密基地』(昭和23年)『拳銃天使』(昭和24年)『漫画大學』(昭和25年)など。